●医療の世界について●

一般の人たちに「病院は何をするところですか。」と質問をしたとします。その場合ほとんどの人がずばり「病気を治すところ。」と答えるでしょう。もちろんその答えで間違いはありません。ですが実際には病院では病気を治す以外に様々な仕事、活動が行われています。我々が想像する以上に病院は多彩な面を持っています。病院と聞いて多くの人が真っ先にイメージするのは診療、看護、介護を含めた医療提供サービスでしょうが、それ以外に洗濯や寝具の提供といった「衣」の分野、食事療養を含めた「食」の分野、そしてカーテンや家具等のインテリアの提供、空気調整、保守清掃を含めた「住」の分野もあります。これらは言わば医療提供サービスから更に発展した生活提供サービスと言えます。またこれ以外にも外来機能、最近注目されている在宅医療、予防活動等、病院での活動は実に多岐にわたっています。最近では医療のみならず、予防や介護のウエイトが高まっていることが注目に値します。

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もう一つ質問をしましょう。病院ではどんな人が働いているでしょうか。多くの人が医師、看護婦、看護士、薬剤師といった職種を挙げるでしょう。ですが実際の病院で募集しているのは医師、看護婦等に止まりません。病院では実に多くの人たちが働いています。それらは大きく分けて専門職と非専門職とに分類されます。専門職には医師、看護婦、看護士、薬剤師、放射線技師、栄養士、医療福祉士等があります。こうした専門職は「先生」と呼ばれることが多いようです。人数でいえば一般的に看護婦が一番多いです。非専門職には一般事務員等、いわゆる「医療事務」に従事する人達です。その他には看護助手から、掃除から力仕事まで担当する人達。この人達も患者に接するケースは少なくありません。日常転職や医師求人の広告、医師募集のサイトに目を通している人にとっては、聞いたことがある職種ばかりでしょう。これ以外にも最近は病院にも多くのボランティアがいるようです。
皆さんは子供の頃、医師や看護婦、看護士になりたい、或いはそれらの仕事に憧れたことはありますか。実際に医師や看護婦によって病気や怪我を治してもらって、彼らを格好よく思った体験は誰しもが持っているでしょう。またTVや映画で献身的に患者の治療に当たる医師や看護婦の姿に心を打たれたことがあるかも知れません。このように医師や看護婦、看護士は私たちにとって身近な存在です。ですが医師や看護婦、看護士の仕事、生活、収入等は、意外と知らないのではないでしょう。ということで、医師や看護婦、看護士を募集している病院で働きたい、或いは今からでも医師や看護婦、看護士に転職したい、小さい頃からの夢をかなえたいという人のために、医師、看護婦(看護士)という職業の概略についてお話していきます。
その前に現在の医療業界の概略と社会の変化について、お話しておく必要があります。現在、主に二つの要因から医療の世界は大きく変化しようとしています。一つは、医療技術の加速度的な進歩、発展とそれがもたらす様々な変化です。科学技術大国として謳われる日本。世界に誇る日本の科学技術は、当然医療の分野にも大規模に投入されてきました。科学的な研究が進んだことによって、現在では一口に医療といっても、実際の医療現場は診断、治療、検査、リハビリ、救急、薬剤などに細かく分業化されています。また診療科目にも新しくリュウマチ科ができるなど、現状の変化に応じて、細分化が進んでいます。今後は更なる科学や研究の発達とともに、こうした傾向がますます進んでいくことになるでしょう。
また通信網等の整備によって、インターネット医療や遺伝子治療等、数年前までは考えられなかった先端医療の世界も展開されつつあります。こうした日進月歩の変化によって、数年後の医療の世界、そして医師や看護婦(看護士)を中心とする医療現場の仕事は、現代の私たちにも想像することすら困難な状況に変わっているかもしれません。
二つ目はこれも身近で体感できることですが、高齢社会とそれへの対応です。高齢社会の影響は社会の様々なところに影を落としています。当然医療の世界とて例外ではありません。ところで今後医師の数は全体的にはやや余剰気味になるが、心身両面のケアができる総合医師の数は不足すると言われています。また看護士の場合で言えば、今後は病院での対応のみならず、訪問看護へのニーズが高くなると思われます。よって看護士には訪問看護の知識、スキルが求められていく、ということになりそうです。これら以外にも、本格的な高齢社会の到来によって、医療の世界では様々な変化が生じることになるでしょう。
ここからは以上のような医療の世界の最新情報、変化を念頭において、医師や看護士を中心とした医療の仕事と、その新しい姿を紹介していきます。ここで紹介する内容が、医療の世界を志す皆さんに少しでも役立つことを願っています。

医師が病院で実際にどのような仕事をしているのか。皆さんは詳しくイメージすることができますか。医師の道を進みたいと希望する若者たちにも、親や親類等すぐ身近なところに医師がいてその仕事をつぶさに見ることができるという環境がなければ、医師の仕事について具体的にイメージするのは難しいのではないでしょうか。もし医師や看護婦など医療現場で働く職業を選択したいと思っているのなら、まずは身近な医師や開業医、看護婦の中にモデルを探すことでしょう。それらのモデルを実際に見習うかどうかはさておき、やはり実際に医療現場の第一線に身を置く人たちの体験談は貴重な財産になるはずです。親が医師だったりすると一番いいですし、また親や親類を含め、どこかの病院に勤める医師ではなく、自分で開業している医師が身近にいれば、もっと貴重な教材となるでしょう。何故なら本当に目の前で行われている医療の仕事をつぶさに目の当たりにすることができるのですから。

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